就職活動を行う中で、志望する業界・企業を絞り込むためにも「業界研究」が欠かせません。
しかし、いざ業界研究を行おうと思っても「何から始めればいいかわからない」「業界・市場の何を見ればいいかわからない」と悩む方も多いでしょう。
そこで今回は、業界研究の基本として、メリットややり方・手順などを解説していきます。
また、業界研究で市場を見るときに押さえておきたいポイントも紹介しているので、これから業界研究に取り組もうとする方は、ぜひ参考にしてください。

業界研究とは?

業界研究とは、業界の種類・特徴などを調べ、自分がどの業界で働きたいかを考えるための作業です。
業界研究では単にどんな業界があるかを知るだけでなく、各業界の特徴や動向なども調べます。
特徴や動向などを把握した上で、自分が興味を持った業界を深堀し、働きたいと思える業界を探していきます。

業界研究を行うメリット

業界研究を実施することで、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか?
ここで、業界研究のメリットを紹介します。

自分に合う業界を見つけやすい

業界研究を実施するメリットの1つに、自分に合う業界を見つけやすい点が挙げられます。
業界は大きく8つに分類することが可能です。

・メーカー
・流通・小売
・サービス・インフラ
・ソフトウェア・通信
・商社
・金融
・広告・出版・マスコミ
・官公庁・公社・団体

ただし、これらはあくまで大きなカテゴリで分類されたものであり、実際にはさらに細分化することが可能です。

業界 細分化した業種(一部)
メーカー 農林・水産、食品、建設・設備関連、住宅・インテリア、アパレル・服飾関連、薬品・化粧品、機械、自動車・輸送用機械、精密・医療機器など
流通・小売 百貨店、スーパー、コンビニ、専門店
サービス・インフラ 不動産、鉄道・航空・道路、電力・ガス・エネルギー、レストラン、ホテル・旅行、医療機関・調剤薬局、教育、福祉サービスなど
ソフトウェア・通信 ソフトウェア・情報処理・ネット関連、ゲーム、通信
商社 総合商社、専門商社
金融 銀行・証券、信金・労金・信組、クレジット・信販・リース、生保・損保など
広告・出版・マスコミ 放送・新聞、出版・広告、芸能・映画・音楽
官公庁・公社・団体 官公庁、公社、団体

多岐にわたる業界がありますが、どの業界がどのような仕事をするのかを知ることで、興味の幅を広げることができ、自分に合った業界も見つけやすくなります。

具体性のある志望動機を作成できる

業界研究を行うと、業界の今のトレンドや動向、課題なども見えてきます。
このような内容を志望動機に取り入れることにより、具体性のある志望動機を作成することが可能です。
例えば「今問題となっている○○に対して、御社の□□プロジェクトが解決につながると感じ、共感しました」などの文言を加えられます。
また、志望する業界・企業がどのような人材を求めているのか、その業界を志望する際に自分の強みをどのようにアピールすればいいかが把握でき、志望動機や自己PR文の作成などにも役立ちます。

キャリアプランが立てやすくなる

業界研究によって現状や将来性を把握できると、企業に入社してからのキャリアプランが立てやすくなります。
将来的に市場の成長が期待される業界・企業であれば、自分がどのように関わっていけるかを考え、その目標に向けてキャリアをどのように形成していくか道筋を立てられます。
業界研究の時点で長期的な視野を持ち、キャリアプランを形成することによってミスマッチを防ぎつつ、納得のいくキャリア形成を目指していけます。

調べる

■業界研究のやり方・手順

実際に業界研究を始めようと思っても、まず何から始めればいいかわからない方も多いはずです。
そこで、業界研究のやり方とその手順を解説していきます。

1.気になる業界を選ぶ

まずは気になる業界を選ぶところから始めます。
例えば製造や金融、小売など、主な業界の一覧などを確認し、少しでも興味がある業界をいくつかピックアップしておきます。
ピックアップする際には、「この業界は大変そう」や「将来性が心配」などの先入観はなくし、興味があることだけで選定することが重要です。
先入観を持ったまま業界を選んでしまうと、選択肢の幅が狭くなったり偏見やイメージだけで選ばなくなったりする可能性があります。
例えば、「文系出身だからIT業界は活躍できなさそう」と考える方もいるかもしれませんが、実際には文系でも活躍できる職種は多く、IT業界で働く文系の方も少なくありません。
このように、選択肢を自ら狭めてしまわないように、偏見や先入観などは持たずに興味のある業界をピックアップしてみてください。

2.業界の基本的な情報を調べる

気になる業界を選んだら、次にその業界の基本的な情報を調べていきます。

【業界の基本情報】
・市場規模
・成長性
・主な企業とシェア率
・ビジネスモデル
・商品の流れ など

業界の基本的な情報はネットから収集することも可能ですが、日経新聞や業界専門誌などからトレンドや最新のニュースを把握するのもおすすめです。
また、政府の統計データや業界レポートなどを参考にすると、客観的なデータを収集できます。
基本情報を集めることで、業界の仕組みやビジネスの全体像を把握できるようになるでしょう。

3.業界関連の情報を収集し、体系的にまとめる

上記の基本情報に加え、業界関連の様々な情報を収集し、体系的にまとめていきます。
まとめる際にはテンプレートを用意し、その中で情報をまとめていくと、複数の業界を比較しやすくなるのでおすすめです。
テンプレートの項目に決まりはないため、自分がわかりやすいように作成すれば良いですが、上記の基本的な情報に加えて「興味を持った理由」や「業界を調べて感じたこと」などもまとめておくと、志望動機を作成する際に役立ちます。

4.業界の現状・課題を分析する

収集した情報をもとに、業界の現状や課題を分析していきましょう。
例えば、製造業界では中小企業でDX・AI技術の導入が進んでいなかったり、少子高齢化による労働人口の減少で慢性的な人手不足に陥ったりするなどの問題を抱えています。
このような現状・課題を分析し、さらにどうすれば解決に導けるかを考えることで、より業界を深く理解できるようになります。

■業界研究で市場を見るときに押さえたいポイント

業界研究では、企業単体だけでなく「市場全体の動き」を把握することも重要です。
市場の規模や成長性、競争環境などを理解すれば、その業界の将来性やリスクも客観的に判断できるようになります。
ここで、市場を見るときに押さえておきたい主要なポイントを解説していきましょう。

市場規模・成長性

まず注目すべきなのは、市場規模とその推移です。
市場規模が大きい業界ではビジネスチャンスが多く、安定した需要が見込まれる傾向にあります。
一方で、規模が小さくても成長率が高い市場では、今後の拡大が期待できるため、将来性という観点で魅力があります。
過去数年のデータを元に、拡大しているのか、それとも縮小しているのかを確認し、将来の方向性を読み取ることが重要です。
また、市場が成長・衰退している要因についても把握しておきましょう。
例えば、技術革新や社会ニーズの変化、法規制の影響などが市場の動向を大きく左右するケースも少なくありません。
単に数字を見るだけでなく、その背景にある要因まで掘り下げることで、より深い業界理解につながります。

競合他社・参入のハードル

市場にはどのような企業が存在し、どのように競争しているのかも把握することが重要です。
例えば、業界によって大手企業が寡占する状態にあるのか、中小企業が多く参入しているのかなどが異なります。
このような違いは働き方にも影響する可能性が高いです。
また、新規参入のしやすさや競争の激しさなども、業界選びの判断材料になるため、市場を調査する際には見ておきたいポイントと言えます。

トレンド

業界研究では、今の状況を知るだけでなく、これからどうなっていくか考えることも重要となります。
例えばデジタル化や環境問題への取り組み、人口構造の変化など、長期的なトレンドが市場にどのような影響を与えているのかも把握しておきましょう。
長期的なトレンドを理解できれば、将来性のある業界・成長分野などを見極めやすくなります。

業界研究を実施する際の注意点

業界研究を実施する上で注意しなくてはならないポイントもあります。

業界研究のみに時間をかけすぎない

業界研究は単に自分に合った業界を見つけやすくなるだけでなく、志望動機や自己PR文の作成にも役立ちます。
しかし、業界研究でその業界について細かく調べ上げたとしても、採用の判断基準になるわけではありません。
そのため、業界研究のみに時間をかけすぎないよう注意してください。
時間をかけすぎないようにするには、効率的に情報を収集できる仕組みが必要です。
例えば業界研究セミナーに参加したり、業界に特化したサイト・ニュースなどを活用したりすることで、効率的に情報を収集できます。

いつでも見返せるようにしておく

いくら丁寧に業界研究を行い、その業界について理解できたとしても、その情報をうまく活かせなければ意味がありません。
例えば業界研究で収集し、体系的に整理したデータやノートは、いつでも見返せるように持ち運ぶなどの工夫をしましょう。

まとめ

今回は、業界研究における基本的な特徴や市場を見るときのポイントなどを解説してきました。
業界研究は、就活において業界や企業を絞り込むために必要な作業です。
まずはどんな業界があるのかを把握し、興味のある業界を深堀して調べていきましょう。
収集した情報はそのままにせず、体系的にまとめておくと就活時に活用しやすくなります。
ぜひ今回紹介したポイントも踏まえながら、効率的かつ効果的な業界研究を行っていきましょう。