Webサイトやアプリを運営していると、「どれくらいの人が訪れているのか」「どのページがよく見られているのか」が気になるものです。
そんな疑問に答えてくれるのが、Googleが提供する無料のアクセス解析ツール「Google Analytics 4(GA4)」です。
GA4を使えば、訪問者数の推移やユーザーの行動、成果につながった経路などを一つの画面でまとめて確認できます。
この記事では、GA4で何ができるのかという基本から、導入前の準備、実際の操作手順、つまずきやすいポイント、活用のコツまでを、初めて触る方にも分かりやすい流れで解説していきます。

■GA4でできること

GA4は、サイトやアプリに訪れたユーザーの行動を数値として可視化し、改善のヒントを得るためのツールです。
ここではまず、具体的にどのようなことができるのかを見ていきましょう。

主な機能

GA4の中心的な機能は、ユーザーの行動をひとつながりの流れとして記録することにあります。
従来の解析ツールがページ単位でアクセス数を数えていたのに対し、GA4はクリックやスクロール、動画再生、購入といった「イベント」を基準にデータを集計します。
そのため、ユーザーがサイトに訪れてからどのようなページを経由し、最終的にどのような行動を取ったのかを一連のストーリーとして把握できるのが特徴です。
また、ウェブサイトとスマートフォンアプリのデータを同じプロパティで管理できる点も大きな強みで、複数のプラットフォームをまたいでユーザーの動きを追いかけたい場合に役立ちます。
さらに、機械学習を活用した予測機能も搭載されており、将来の購入確率や離脱の可能性といった指標を自動で算出してくれる点も、これまでのツールにはなかった魅力です。

向いている用途

GA4は、日々のアクセス状況を大まかに把握したいという軽い用途から、コンバージョンに至るまでの詳細な行動分析まで、幅広い場面で活用できます。
たとえば、オウンドメディアを運営している方であれば、どの記事が多く読まれているか、読者がどのページから離脱しているかを調べることで、コンテンツの改善点を見つけられます。
ネットショップを運営している場合は、商品ページから購入完了までの流れを追い、途中で離脱しているステップを特定することで、売上向上につながる改善策を検討できます。
企業のコーポレートサイトであれば、問い合わせフォームへの到達率や資料請求のきっかけとなった流入経路を分析し、広告やSNS運用の効果測定に役立てることも可能です。
このように、規模や目的を問わず、Web上での成果を数値で確認したいすべての人にとって有用なツールだといえます。

初心者が使うメリット

初心者にとってGA4が心強い理由のひとつは、無料でありながら本格的な分析機能を利用できる点です。
有料の高度な解析ツールと比べても遜色のない機能が揃っており、まずは無料で試してみて、必要に応じて有料機能を追加するという段階的な使い方ができます。
また、レポート画面はあらかじめ用意されたテンプレートが充実しているため、専門的な知識がなくても、まずは主要な指標をひと目で確認できるようになっています。
加えて、Googleの公式ヘルプや解説記事が豊富に存在するため、分からないことがあってもすぐに調べながら学習を進められる環境が整っている点も、初心者が安心して使い始められる理由のひとつです。

■GA4を始める前の準備

GA4を実際に使い始める前には、いくつか用意しておきたいものや設定しておくべき項目があります。
ここを丁寧に済ませておくことで、後々のデータ集計がスムーズになります。

必要なもの

GA4を利用するためには、まずGoogleアカウントが必要です。
すでにGmailなどを利用している方であれば、そのアカウントをそのまま使うことができます。
次に、解析対象となるWebサイトまたはアプリが必要です。
サイトの場合は、HTMLに計測用のタグを埋め込む作業が発生するため、サイトの管理画面やソースコードを編集できる環境を用意しておくと安心です。
WordPressなどのCMSを利用している場合は、専用のプラグインを使うことでタグの設置が簡単になることもあります。
アプリの計測を行う場合には、Firebaseとの連携が必要になるケースが多いため、あらかじめFirebaseプロジェクトの有無も確認しておくとよいでしょう。

事前設定

Googleアカウントの準備ができたら、Google Analyticsの管理画面から新しいプロパティを作成します。
プロパティとは、GA4がデータを集計する単位のことで、ひとつのサイトやアプリごとに作成するのが基本です。
プロパティを作成する際には、タイムゾーンや通貨単位も設定できるため、日本国内向けのサイトであれば「日本」「円」を選択しておくと、後々のレポートが見やすくなります。
プロパティの作成が完了すると、計測用のタグ(測定ID)が発行されるので、これをサイトのHTMLに設置するか、Googleタグマネージャーを経由して設定します。
設置が完了した直後はデータがすぐに反映されない場合もあるため、数時間から半日程度は様子を見ながら反映状況を確認するとよいでしょう。

確認したいポイント

初期設定が終わったら、データが正しく計測されているかを確認する作業を忘れないようにしましょう。
GA4の管理画面には「テスト」機能があり、自分自身がサイトにアクセスした際のデータがリアルタイムでレポートに反映されるかをその場で確認できます。
ここで数値が表示されない場合は、タグの設置場所や記述に誤りがある可能性が高いため、早めに見直すことが大切です。
また、内部関係者によるアクセスが数値に混ざってしまうと正確な分析ができなくなるため、社内からのアクセスを除外する設定も、可能であれば早い段階で行っておくことをおすすめします。

GA4,Google Analytics 4

■GA4の基本的な使い方

準備が整ったら、いよいよ実際の操作に入っていきます。
ここでは、GA4を初めて開いた方でも迷わないよう、基本的な操作の流れを順を追って説明します。

手順1

GA4の管理画面にログインしたら、まずは左側のメニューから「レポート」を選択します。
ここには「ホーム」画面が表示され、直近のユーザー数やイベント数、コンバージョン数といった主要な指標がまとめて確認できるようになっています。
全体像をつかみたいときは、まずこの画面をひと通り眺めることから始めるとよいでしょう。
数値の増減がグラフとして表示されているため、日ごとの変化や急激な増減があった日を視覚的に把握しやすくなっています。

手順2

全体の傾向がつかめたら、次は「集客」レポートを確認します。
ここでは、ユーザーがどのような経路でサイトにたどり着いたのかを詳しく見ることができます。
検索エンジンからの流入なのか、SNSからのアクセスなのか、あるいは広告経由なのかといった流入元ごとの内訳が表示されるため、どのチャネルが効果的に機能しているかを判断する材料になります。
特定の広告キャンペーンの効果を測定したい場合には、URLにパラメータを付与しておくことで、より詳細な経路まで追跡することが可能です。

手順3

流入経路を把握したら、続いて「エンゲージメント」レポートでユーザーの行動内容を確認します。
ここでは、どのページがよく閲覧されているか、平均してどれくらいの時間サイトに滞在しているか、といった行動の質に関する情報が分かります。
さらに、あらかじめ設定しておいたコンバージョンイベント、たとえば購入完了や問い合わせ送信といった成果指標がどれくらい発生しているかも、このレポートを通じて把握できます。
これら3つのレポートを順に確認する流れを習慣にすることで、サイト全体の状況を効率よく把握できるようになります。

■よくあるつまずきポイント

GA4は多機能である反面、これまでのアクセス解析ツールとは操作方法が大きく異なるため、初めて触れる方が戸惑いやすい部分も少なくありません。
ここでは代表的なつまずきポイントとその対処法を紹介します。

設定で迷いやすい点

もっとも多くの方が戸惑うのが、コンバージョンの設定方法です。
以前のツールでは目標設定が比較的シンプルでしたが、GA4ではイベントベースでコンバージョンを設定する必要があるため、どのイベントを成果として扱うべきか判断に迷うケースが多く見られます。
また、プロパティとデータストリームという二つの概念が登場することも混乱を招きやすいポイントです。
プロパティはデータを集計する箱そのものを指し、データストリームはその中に流れ込むサイトやアプリごとのデータの入り口を指すという違いを理解しておくと、設定画面での迷いが減っていきます。

操作で止まりやすい点

操作面では、知りたい数値がどのレポートに含まれているのかが分かりにくいという声がよく聞かれます。
GA4は自由度が高い分、レポートの構成があらかじめ細かく分類されておらず、目的の指標にたどり着くまでに複数の画面を行き来する必要が生じることがあります。
特に、期間比較やセグメントの絞り込みといった機能は、操作の手順が直感的に分かりにくく、最初のうちは思うような数値にたどり着けないことも珍しくありません。

解決方法

こうしたつまずきを解消するためには、まず「探索レポート」という機能を活用するのがおすすめです。
探索レポートでは、見たい指標とディメンションを自分で組み合わせて表やグラフを作成できるため、標準レポートでは見つけにくいデータも柔軟に確認できます。
最初は難しく感じても、公式のテンプレートを使いながら少しずつ操作に慣れていくことで、次第に自分の知りたい情報へ最短距離でたどり着けるようになります。
また、分からない用語が出てきたときは、都度Googleのヘルプページで意味を確認しながら進めることで、遠回りに見えて結果的に理解が早まります。

■GA4を使いこなすコツ

基本操作に慣れてきたら、次はより効率的にGA4を活用するためのコツを押さえていきましょう。
ここでは、日々の分析作業を楽にする工夫を紹介します。

時短になる使い方

毎回同じ指標を確認するのであれば、レポートをカスタマイズして自分専用のダッシュボードを作っておくと大幅な時短になります。
よく見る指標をまとめたレポートを一つ作成しておけば、ログインするたびに複数の画面を行き来する手間がなくなります。
また、定期的にメールでレポートを受け取れる設定を行っておくと、わざわざ管理画面を開かなくても主要な数値の変化を把握できるようになり、日々の確認作業がぐっと楽になります。

初心者が最初に覚えたい操作

初心者がまず身につけておきたいのは、期間を比較する操作です。
今週と先週、今月と前月といった形で数値を比較することで、単なる数字の大小だけでなく、増減の傾向をつかめるようになります。
あわせて、デバイス別やユーザー属性別にデータを絞り込む「セグメント機能」も早めに覚えておくと、パソコンとスマートフォンでユーザーの行動がどう違うのかといった、より踏み込んだ分析ができるようになります。

慣れたら試したい機能

基本操作に十分慣れてきたら、探索レポートを使った独自の分析や、GA4が持つ予測機能にも挑戦してみることをおすすめします。
予測機能では、過去のデータをもとに将来の購入確率や離脱の可能性が自動で算出されるため、感覚に頼らないデータドリブンな意思決定がしやすくなります。
さらに、広告管理ツールと連携させることで、広告の費用対効果まで含めた総合的な分析も可能になり、GA4の活用の幅が大きく広がっていきます。

■よくある質問

最後に、GA4を検討している方からよく寄せられる質問についてまとめます。
導入前の不安を解消する参考にしてください。

無料で使える?

GA4は基本的な機能であれば無料で利用できます。
アクセス解析やレポート作成、コンバージョン計測といった多くの機能は無料版の範囲内で十分にまかなえるため、個人サイトや中小規模のビジネスであれば、無料版だけでも実用上ほとんど困ることはありません。
大規模なデータ量を扱う企業向けには有料版の「Google Analytics 360」も用意されていますが、まず無料版から始めて、必要性を感じた段階で検討するという流れで問題ありません。

スマホでも使える?

GA4のレポート画面は、スマートフォンのブラウザからでも閲覧できます。
ただし、細かい設定変更や複雑なレポート作成といった作業は、画面の大きいパソコンで行うほうが操作しやすいのが実情です。
外出先でざっと数値を確認したいときはスマートフォン、じっくり分析や設定を行いたいときはパソコンというように、場面によって使い分けるとよいでしょう。
専用のアプリも提供されているため、通知機能などを活用すれば、日々の変化をより手軽に追いかけることもできます。

初心者でも大丈夫?

GA4は専門用語や独自の概念が多く、最初は戸惑う場面もありますが、公式のヘルプページや学習コンテンツが充実しているため、初心者でも段階を踏んで着実に理解を深めていけます。
最初からすべての機能を使いこなそうとせず、まずはホーム画面や集客レポートといった基本的な部分から少しずつ触れていくことで、無理なくGA4に慣れていくことができます。
分からない点が出てきても、その都度調べながら進める姿勢を持てば、決して難しすぎるツールではありません。

■まとめ

GA4は、サイトやアプリを訪れたユーザーの行動をイベント単位で細かく記録し、流入経路から成果に至るまでの流れを一つの画面で把握できる強力な無料ツールです。
導入にあたっては、Googleアカウントの準備やタグの設置といった事前準備が必要になりますが、一度環境を整えてしまえば、ホーム画面、集客レポート、エンゲージメントレポートという基本の流れを押さえるだけで、日々のアクセス状況を無理なく確認できるようになります。
従来のツールとは操作感が異なるため最初は戸惑う部分もありますが、探索レポートやセグメント機能といった便利な機能を少しずつ取り入れていくことで、初心者でも着実にGA4を使いこなせるようになっていきます。
まずは小さな一歩として、実際に管理画面を開き、自分のサイトの数値を眺めてみることから始めてみてはいかがでしょうか。